短冊

??・馬琴・清澄 狂歌短冊(三葉)、鵬斎 五言絶句短冊

鵬斎老人の五言絶句の翻刻・訓読・現代語訳・コメントは徳田武氏のご教示による。

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑4-9-1、4-9-2、4-9-3、4-9-4

 よみひとしらす
よそなから???よりも夏の夜の
みたてぬゆめの?なかりける   ??

 海道立春
ほす?のめにはさやかにみえねとも
けふ立そむるはるのうら風    馬琴

ぬる?いきのかゝりて雪?しい(?)
雨と雪との二人寝の床      清澄

 胡蝶
盡日看花歸 嬌蝶趁人飛
非我能招蝶 餘香在春衣   鵬斎老人

語注・気付き

4-9-2 ほす?のめにはさやかにみえねとも/けふ立そむるはるのうら風
*秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行(古今和歌集巻第4 秋上)

4-9-3 ぬる?いきのかゝりて雪?しい(?)/雨と雪との二人寝の床
*この歌の意図読めず

4-9-4 盡日看花歸/嬌蝶趁人飛/非我能招蝶/餘香在春衣
盡日 花を看て歸る
嬌蝶 人を趁いて飛ぶ
吾の能く蝶を招くに非ず
餘香 春衣に在り

一日中、桜花を見歩いてから帰宅する。
綺麗な蝶が私を追って飛んで来る。
私が蝶を呼んでいるのではない、
桜花の移り香が私の春着に就いているからだ。

あの豪快な鵬斎が実に繊細可憐な抒情詩人でもある一面を持ち合わせていますな。

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