短冊

一九・田鶴丸・大平・三馬 狂歌短冊(四葉)

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑4-8-1、4-8-2、4-8-3、4-8-4

 不言恋
嬉しさも半分こハさ半分に
まつていはれぬ身こそつらけれ  一九

この世から一枚ぬきてやりたきは
にまいにつかふうき人の舌   田鶴丸

 浦霞
玉ひりふ玉津島辺ゆ見わたせは
うらわのとけくかすみわたれり  大平

 遊女
傾城にまことなしとは傾城に
うそいふ客やいひはしめけむ   三馬

語注・気付き

4-8-2 この世から一枚ぬきてやりたきは/にまいにつかふうき人の舌
*にまいにつかふ 二枚舌を使うの意。
*うき人 憂き人 いとしく思う相手。

4-8-3 玉ひりふ玉津島辺ゆ見わたせは/うらわのとけくかすみわたれり
○「ひりふ」は「拾ふ」の古形。ここでは「玉津島」にかかる枕詞。
*玉津島辺ゆ 「ゆ」は動作・作用の時間的・空間的起点を表す。~から。(旺古)
*のとけく のとけし のどかにの意。

徳田武氏ご教示分

 不言恋(言わざる恋)
嬉しさも半分こはさ半分に
わっていはれぬ身こそつらけれ
         一九(十辺舎一九)

 遊女
傾城にまこと(誠)なしとは傾城に
うそいふ客やいひはじめ(言い始め)けむ
          三馬(式亭三馬)

◯共に高名な戯作者

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