見てはかり人にかたれよ桜花
てことにをらはいけとりにせん 飯盛
早とめの脛のくろきに仙人も
つうをうしなふ気つかひハなし 蜀山
背面の官女の絵に
紫の周防かないし右近かや
此赤染のえ門付し者 季鷹
祈恋
寝ねつおきつ神はいのれと今もつて
まくらのなかに交るはうし 一九
語注・気付き
4-4-2 早とめの脛のくろきに仙人も/つうをうしなふ気つかひハなし
*修行して飛行する術を会得した久米の仙人が、白い脛もあらわに洗濯する女性を空中から見て目がくらみ、墜落してしまうという話が収録されています(『巻十一・第二十四久米仙人、始めて久米寺を造ること』)。『今昔物語集』(歌舞伎美人)
*久米の仙人は早乙女の白い脛をみて神通力を失い、空からおちたという話があるが、目の前の早乙女の脛はあまりにも黒いからその心配は無かろうの意。聖を俗に落とす典型。秀逸。
4-4-3 紫の周防かないし右近かや/此赤染のえ門付し者
*紫(式部)。周防(内侍)、右近(内侍)、赤染(衛門)はいずれも宮中で仕えた有名な女官。紫、周防に蘇芳(また紫の素袍もかけるか)、右近に鬱金、赤(染え門)と色づくし。秀逸。
4-4-4 寝ねつおきつ神はいのれと今もつて/まくらのなかに交るはうし
*「なかに」は「ちりに?」かもしれない。
*歌の意図読めず
コメント