短冊

抜足 狂歌短冊(四葉)

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑3-56-1、3-56-2、3-56-3

熊谷のさくらに別れおしみてハ
われもうしろへむく駒のうへ   抜足

 馬上見花(内容は右と同じ)
熊谷のさくらに別れをしみてハ
われもうしろへむく駒のうへ   抜足

 朝花
玄宗とあちらこちらに楊貴妃の
はなゆゑわれは朝おきもしつ   抜足

熊谷のさくらに別れをしみてハ/われもうしろへむく駒のうへ
*熊谷さくら 近畿豆桜系の八重咲品種の名。
○「一谷嫩軍記・熊谷陣屋」、我が子を失った熊谷次郎直実が剃髪姿になり、「十六年は一昔、夢だ夢だ」とつぶやきながら花道を去って行くラストシーンに基づく。

玄宗とあちらこちらに楊貴妃の/はなゆゑわれは朝おきもしつ
*楊貴妃桜 八重咲き桜の一種。四月中頃開花。
*「はなゆゑわれは朝おきもしつ」 美しい楊貴妃桜を見たいがために自分も早起きした、の意味であるが「長恨歌」の「従此君王不早朝 此より君王早朝せず (それ以来君王は早朝の政事をしなくなった」を逆にふまえたもの。秀逸。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑3-56-4

 逢恋
日本はおろか逢夜はハ君とわか
もろこしまてもひとつにそよる  抜足

○「わか」は「吾(わ 自分)」と「か(主格の「が」)で、「私が」の意。「ひとつにそよる」にかかる。「ひとつにそよる」は「同じ一つの夜を共有する}と「同じ場所に寄る」をかけるか。

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