玄宗とあちらこちらに楊貴妃の
はなゆゑわれは朝おきもしつ 抜足
加茂きくを翁
はしめてとふらひ/来ける時に
花雪のふることしれる人とめて
おのかまなひのともしひとせむ 六々
櫻
もろこしの海棠なとにくらへては
けにてうちんとつりかねさくら 抜足
語注・気付き
3-55-1 玄宗とあちらこちらに楊貴妃の/はなゆゑわれは朝おきもしつ
*狂歌短冊3-56-3と同じ。
3-55-2 花雪のふることしれる人とめて/おのかまなひのともしひとせむ
*狂歌短冊3-50-2と同じ
○この狂歌(3-55-2)では詞書が「賀茂きくを翁」、狂歌短冊3-50-2では「賀茂きくを子」となっている。この「賀茂きくを」とは誰なのか。賀茂とあることと、春足の交友関係を考えると、もしかすると賀茂季鷹ではないか。賀茂季鷹に関しては、雅望書簡(手鑑2-31-1、2-32-1)に歳をごまかして吉原通いするという話が出てくる。賀茂季鷹が「きくを」を名乗っていた証拠が見つかればよいのだが…。
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