冬のはしめ
智芳庵君を
とふらひ侍るとて
さらぬたにたつねわひぬる山河をは
いかにまよへとうつむ紅葉 春足
寄佛戀
むつこともつきなくに夜は巴提使とて
仇とうらめる刻限の佛 抜足
雨中時鳥
さみたれのつれくにまつきゝたきは
琵琶倭琴より山ほとゝきす 春足
語注・気付き
3-47-1 さらぬたにたつねわひぬる山河をは/いかにまよへとうつむ紅葉
*紅葉 もみぢ葉
*狂歌短冊3-23-6と同じ
3-47-2 むつこともつきなくに夜は巴提使とて/仇とうらめる刻限の佛
*膳巴提便(かしわで の はすひ・はです。(生没年不詳)。日本古代の6世紀前半の豪族。姓は臣。(wiki)「便」を「使」と作る例もあり。
*睦言も尽きてもいないのにもう「終わり}ということでむやみにうらみがましい刻限に現れる佛(巴提使)だなあ
。
3-47-3 さみたれのつれくにまつきゝたきは/琵琶倭琴より山ほとゝきす
*倭琴 和琴(わごん)は、雅楽の国風歌舞でもちいられる日本固有の絃楽器で、日本最古の楽器。大和琴(やまとごと)東琴(あずまごと)とも。六絃で、琴軋(ことさぎ)や指で弾いて演奏される。(wiki)
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