短冊

春足(抜足) 狂歌短冊(三葉)

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑3-43-4、3-43-5、3-43-6

 梅
咲梅の花にあそふと花の香に
はなはあそはぬ花の木のもと  抜足

 かんな月の末つかた
 父君おもひにこもり
 ゐ給ひける人の御もとへ
此ころの人のたもとそおもひやる
さらてもしけきむらしくれ空  抜足

 蓮
とのやうにいとひしとても池水の
にこりなとにハそまぬ蓮葉   抜足

語注・気付き

3-43-5 此ころの人のたもとそおもひやる/さらてもしけきむらしくれ空
*さらてもしけきむらしくれ空 ただでさえ重苦しいしぐれ空を見るにつけても。
 
3-43-6 とのやうにいとひしとても池水の/にこりなとにハそまぬ蓮葉
*どのように恋い慕ったとしても決して泥水などには心を許さない蓮葉の純潔さよ。

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