短冊

春足(抜足) 狂歌短冊(三葉)

collection-book-3-42-1

 月前梅
露にやとる月の桂の紅葉をも
ふみわけてなく秋のさを鹿   抜足

この花の尺をとらんとものさしの
鯨もいつる藤浪の中      抜足

 菫
春日野のすみれつまんと弁當の
きしゐにわれは一夜寝ぬなり  抜足

語注・気付き

3-42-2 この花の尺をとらんとものさしの/鯨もいつる藤浪の中
*鯨尺 江戸時代から、反物を測るのに用いられてきた和裁用の物差し。曲尺かねじゃくの1尺2寸5分(約38センチ)を1尺としたもの。また、その長さ。もと鯨のひげで作られた。鯨差し。くじら。秀逸。

3-42-3 春日野のすみれつまんと弁當の/きしゐにわれは一夜寝ぬなり
*春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ野をなつかしみ一夜寝にける 山部赤人 万葉集巻八 一四二四)

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