竹
孝行の徳をあらはすその竹の
なと子をすつる藪となるらむ 抜足
梅を見にまかり
ける友のもとへ
申つかはしける
沙汰もせて梅見に行ハそてないと
おもへとゆかし袖のうつり香 抜足
雨中花
はかせらもさそおとろかむさく花の
王にかゝれる春雨のあし 抜足
語注・気付き
3-37-1 孝行の徳をあらはすその竹の/なと子をすつる藪となるらむ
*孝行の徳をあらはすその竹 「雪中のたけのこ」 (中国、三国時代の呉の孟宗が冬に竹林で母の好物の竹の子を手に入れたという故事から)得がたいものを手に入れることのたとえ。また、孝心の深いことのたとえ。という故事があるように竹林と孝行は連想。
3-37-2 沙汰もせて梅見に行ハそてないと/おもへとゆかし袖のうつり香
*そてない そでない 薄情だ。
3-37-3 はかせらもさそおとろかむさく花の/王にかゝれる春雨のあし
*狂歌短冊3-36-3と同じ。ただし「王」が、3-36-3では「わら」となっている。
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