としのはしめに筆
を試むとて万/葉集の歌を
すめろきの御代さかえむと東なる
みちのく山にこかね花さく
吉原にあそひ
けるにさくらの
さかりなりけれハ
もろこしのよしのもかくや芥子なりの
禿もみゆるよし原の花 春足
梅ををりて
人のもとに/やるとて
鶯のやとりなれかし枝そとは
かつちる花のあとにてもしれ 春足
語注・気付き
3-26-4 すめろきの御代さかえむと東なる/みちのく山にこかね花さく
*天皇の御代栄えむと東なる陸奥山に金花咲く 大伴家持(万 巻18-4097)
*筆跡から春足が詠んだものと思われる。
3-26-5 もろこしのよしのもかくや芥子なりの/禿もみゆるよし原の花 春足
*けしなりの禿 芥子禿の略(日本国大)
○中国のよしのもこのようではないかと思われる。芥子坊主によく似た頭をしている禿を見るにつけても。花の里芥子から育つ女郎花(雑俳)
3-26-6 鶯のやとりなれかし枝そとは/かつちる花のあとにてもしれ 春足
*かつちる 散る一方で散る。すぐに散る。
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