短冊

春足 狂歌短冊(三葉)

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑3-22-4、3-22-5、3-22-6

 桜
ふくほとはよそにおくりて春風の
たえまそやとににほふうめかゝ  春足

 時鳥のしはしなきぬるよしかたり給ひけれは
われもしかまちてしあるとほとゝきす
またもきなかんときにつけてよ  春足

 あられのふりけるあした
梢にもやねにも見ねとみゝにのみ
とまりてそふるよへのあられハ  春足

語注・気付き

3-22-4 ふくほとはよそにおくりて春風の/たえまそやとににほふうめかゝ 春足
*(春風が)吹いている間は他のところに送って、絶えているときだけ我が家に匂う梅の香りだなあ。

3-22-5 われもしかまちてしあるとほとゝきす/またもきなかんときにつけてよ 春足
*(詞書)時鳥がしばしの間鳴いたという人がいたので、自分もあなたのようにまちうけておればほととぎすもまたきっと鳴いてくれるでしょう・

3-22-6 梢にもやねにも見ねとみゝにのみ/とまりてそふるよへのあられハ 春足
*梢にも屋根にも降った形跡は見ないけれど耳にだけはしっかり記憶に残っている、昨夜の霰の音は。

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