卯月郭公
神もまたまつらぬ森のほとゝきす
ほのにはつねをもらしぬる哉 雅嘉
むつはかりかくせるとても何ならむ
齢はしれた万年の亀 春足
初秋
秋風ハけさおとつれつ遠つ人
かりのつかひハまたもこなくに 春足
語注・気付き
3-21-1 神もまたまつらぬ森のほとゝきす/ほのにはつねをもらしぬる哉 雅嘉
*尾崎 雅嘉(おざき まさよし)1755年(宝暦5年)~ 1827年11月21日(文政10年10月3日))は、江戸時代中期から後期の国学者である。字は有魚。号は華陽、蘿月庵、博古知今堂等。通称は春蔵(俊蔵とも)。医師もしくは書店と推定される家系の子として摂津の大坂(現在の大阪市)に生まれる。初め奥田尚斎の門人となり、儒学を学んだ。その後、契沖が執筆、刊行した著書を参考にして国学を学び、国学と儒学を融合させた新しい学問の著書を独学で多く執筆し刊行させた。後に和歌についても学んでよくし、同郷の木村蒹葭堂や因幡生まれの京都の香川景樹一門等上方の文人とも親交を持った。1928年(昭和3年)、従五位を追贈された。(wiki)(当文書多数収録。「狂歌文書館」検索で検索ありたし。タグ:尾崎雅嘉)
3-21-2 むつはかりかくせるとても何ならむ/齢はしれた万年の亀 春足
*六歳ほどごまかしても何になろうか。鶴は千年亀は万年と齢は知れ渡っているのだから・・(誰かの長寿祝いに送った狂歌か?)
3-21-3 秋風ハけさおとつれつ遠つ人/かりのつかひハまたもこなくに 春足
*かりのつかい《「漢書」蘇武伝の、匈奴 (きょうど) に捕らえられた前漢の蘇武が、手紙を雁の足に結びつけて放ったという故事から》便り。手紙。かりのたまずさ。かりのたより。かりのふみ。雁書。雁信。雁使 (がんし) 。(goo辞書)
*またもこなくに 未だ来ないのに。
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