書簡

(春足宛て)五老書簡

撮影:四国大学 / 分類:手鑑3-2-2

御強健御座候奉察居候
然は
一猿蟹の狂歌御あつめ
 おもしろく所々へ配り遣し候
一此度二条御所様より
 御哥給はり宗匠号
 御ゆるし被下候爲披露
 九月廿八日大のしニ於て
 一會相企候處盛会ニて
 大ニ面目を得候事ニ有之候
 御連中方へも御吹聴可
 被下候先ハ右申上候迄如此(この一字虫食い)
 御座候謹言
           五老
十一月二日

語注・気付き

○情報①春足が「猿蟹物語」を送ったことに対するお礼。面白かったので方々へ配布した(回し読みのことか?)。②五老(雅望)が二条御所様から御歌を賜り宗匠号を許され、その披露宴を九月二十八日、柳橋大のし(当時有名な料亭)で催したこと。それを御連中(春足社中)へしっかり吹聴して欲しいという内容。この事件はあとから詐欺であったことが判明。このいきさつについては粕谷『石川雅望研究p313参照)

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