書簡

雲多楼宛て雅望書簡 狂歌月並題について 用語「さふらう」についての質問への答え

撮影:四国大学 / 分類:手鑑2-7-1

霜月朔日出之貴翰両三日
已前到着拝誦仕候先々
烈寒之砌御万福??
???奉存候
〇梅の題のちらし占正より御地へ
さし出し候由御連中方御出詠
希事ニ候
〇金子入一封占正へ早々相届候
〇来年月並題いまた板行出来
不仕候画賛の題ニて絵師の
おほくしたゝめ候をとり出申候
 布袋  鍾馗  猩々
 山水  源氏絵ノウチ  虎蹊三笑
なとと申たくひにて候板行出来
候ハすくニ御届可申上候
〇御文章御見セ被下拝見扨々
例なからおもしろく承り候
 さふらふと申詞
これハふるき文の体にてハ侍り
したゝめ候事也六家集の比
よりさふらふとかき候事ニ成

撮影:四国大学 / 分類:手鑑2-7-1

かやうニ源氏(?)めのとのふみハ
阿仏尼の作にてさふらふとのミ
かゝれ候盛衰記平家物語なと
も大体さふらふの方おほく
見へて今の謡曲に侍りのかたハ
なく皆さふらふとのミ申候を
さるころのならひをうつし
候事とおほへ候今の世に格別
こゝろにいれてかき候はんにハ
侍るの方しかるへく奉存候
なにともなきせうそこ文にハ
さふらふにてもよろしくやと
???候
短日ことの外せわしく候侭
万々後便と申のこし候
折角寒気ハ自愛可被成候
御連中へよろしく御伝へ
可被下候  謹言
十一月十一日    五老拝
雲多楼大人

語注

*六家集 新古今時代の優れた六つの私家集のこと(wiki)
*めのとのふみ 阿仏尼が自らの経験を踏まえ、宮廷女房となっているわが娘に女房の態度・心構えをはじめとする様々な事項について書き記したもの。(一誠堂書店説明)

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