応需
北渓写
(五側マーク)
楽屋図
弐番続
もろ
人の
肩をも
こへて
やつこ
凧
雲井に
たかく
のほる
春かせ
素羅園
天馬
気づき
○市川團十郎楽屋 蛇の目傘 瓢箪の衣裳 『助六』に関係あるか?
(この疑問に対して木村先生から以下のコメントを頂いております)
木村涼先生からのコメント
これは狂歌師の素羅園天馬が詠んだ歌です。「楽屋図」の右上に赤字の「五」の篆書体があります。これは狂歌師六樹園飯盛(=石川雅望)率いる狂歌の一門「五側」(ごがわ)のマークです。したがって、狂歌を詠んでいる素羅園天馬も五側に所属しており、六樹園飯盛とは親しい関係で、共に市川團十郎贔屓です。
次に、楽屋についてです。左側の黒地に描かれている「三升」の紋と、衣裳に描かれている瓢箪から、市川團十郎の楽屋だと思われます。
瓢箪は市川團十郎家と由縁があります。松尾芭蕉が米櫃に使った瓢箪を、二代目團十郎が手に入れて愛用したことから、市川家の家宝となり、瓢箪を模様化したことに始まります。
当錦絵の瓢箪柄の衣裳は、一般的には助六では着用されません。また、助六の蛇の目傘には、市川家の替紋である杏葉牡丹が描かれています。当錦絵に描かれている蛇の目傘は、閉じている状態なので、杏葉牡丹が描かれているのかどうか、この絵からは判然としません。したがって、助六の蛇の目傘とは言い切れません。
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