御安康奉賀候雅言集
四之巻八冊御かへし被下
収納仕り候
此度宇治のすさひ御みせ
被下序文したゝめ候やう
御をしへのまゝ筆を採候
あまり手もなきこと恥入
?申候此程ハいそかしく候て
こゝろとゝめたることハ出来
申さす候御ゆるし可被下候
雅言五之巻出来ニ付上候
一部代銀拾弐匁五分ツゝニ
有之候
清石問答と申書私方ニハ
無之候これハ六七年已前
かの㳒師をこゝろミニ源語
の中字?の詞ハいかにこゝろ
えたると申て候へハくさくさ
注しつけておこせ候其節小子
痢をやミ打臥居候へ共かれの
ひかことを少し咎メつかハし候ぎ(義?)候
さのミ心も用ひす書つかはし
候をかれの方ニて本のやうニ
いたし門人ニもみせ候よし
小子方へハ秘しかくし候事也
しかし本年ある武家之仁
より借り候て見候処小子方
へ一向おこさゝることを一段かき
そへ申候まけしたましひ
なる坊主の作御覧ニたらぬ物
にて候
うちのすさひ大感心おも
しろくおほへ候今四五冊斗
有之候ハゝ猶々よろしくと
存候御ひまに御認可被成候
何も大紛?万々申上候 以上
十一月二十一日 五老
六々園大人
尚々御被物之御礼くれくれも
申上候
気づき
○①雅言集覧四之巻八冊返送 これは書簡2-33-1 五月六日付けに「一雅言四の巻先達而御さし立候」とあるのが何かの手違いで間違って送られてきたものを(春足が)返送、それを受け取ったということだろう。②宇治のすさひ、(雅望が)序文書いた。宇治のすさひ大感心。(宇治のすさひについては、粕谷『石川雅望研究』p281に「宇治のすさひは未刊に終わったらしい」と引用有り。チラシあり、以下の画像参照) ③雅言集覧五之巻出来 ④清石問答について、春足が「清石問答」という書物をみせてくれと願い出たことに対する雅望の返答は「難後言」中で取り上げられている書き物に関する話と符合している。同じものと思われる。なお「九大コレクション」というサイトに「清石問答 石川雅望問・清水浜臣答 一巻一冊」が所蔵されているという情報あり。これに該当すると思われる。
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