残暑ニ候へ共土用中よりも
まさり候炎熱ニ有之候
御多福御由之趣奉
大慶候御文章一覧
返上仕候いつれもいつれもおもし
ろく感心仕候
五十人一首此ころ摺ニかゝり
をり候四五日中ニハ出来候と
存候
雅言序文共板行出来
仕り候少々校合いたし候所
有之板木屋ニなほし申付候
事ニて候これも不日ニ発行
可致候
ふさにと申詞御尋御座候
蜻蛉日記三
道すからわらひぬへき事ともふさに
あれと
同中上
さまさまにしやうそきあつまりて二車
ぞある馬ともなどふさにひきちら
かいてさわぐわりこやなにやとふさ
にあり
同二
西の京にさふらふ人々こゝにおはし
ぬとて奉らせたるとて天下の物
ふさにあり
同四 文詞
ミことふさにかきたり
うつほ物語 初秋上
北方あやふさにとうでえさせ奉り給ふ
同 うなひともふさなり
同女御まかなひのもただのもふさにさふらひ給ふ
同 国開
御車にハ四位五位ありとある人ふさ
につきて手ひきにひく
同
ところところよりおかしき物どもふさに
奉れ給へり
大和物語
わたつミと人やミるらんあふことの
?(虫食い)をふさになきつめつれは
源氏にハふさやかと見へ候
空蝉の巻
契いとふさやかにてながくハあらねと
さ?(か?)りはかたのほといときよけなる
?(虫食い)
すゑのふさやかにさくりつけられたるほと
とりかへはや物語
かしらあらはせ契かきたれなとして
ミれは尼のほとにふさふさとかゝり
いつれ沢山なる事ニ用ひ候
語にて候
尾張辺大地震之由江戸は
さやうの事もなし御地ハ如何
御座候や
先々御返書迄早々申上候
謹言
六月晦日 五老
六々園大人
語注
*尾張辺大地震 文政二年六月十二日(旧暦)近江・美濃・尾張地方大地震をさす。
*五十人一首 「『「狂歌狂歌五十人一首』(葵園北渓画大一冊)を撰して五側社中より刊行する」(文化十年)に該当。
気づき
○①(春足の)文章拝読おもしろい。②「五十人一首」摺りにかかった。③雅言集覧序文共板行出来校合中④「ふさに」という言葉についての質問に対する回答
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