新年之御慶御同意?存候
余寒甚敷候へ共御強健ニ
御座候之趣奉察居候扨は
雅言集覧序文之事ニ付
御心配奉謝候少々校合すり
さし上候よろしく御取斗可被下候
雅雄長逗留御厄介之程
御礼可申上様も無之奉存候
さしあたり江戸ニ用事もなく
候まゝいつ迄をり候ても不苦候
しかし御せわをかけ候段甚以
恐れ入候文丸方へもあつく御近所
御佳作御あつめ被遣候よし
これハ雅雄ニ御聞可被下候至而
才子ニ候へ共貧窮之仁ニ候間
少しもために成やうにと右之
企も致させ候盛砂事殊ニ
律義の生得にて義気ある
男ニてせわいたし候老夫方の
万事ニ付粉骨砕身いたし
くれ誠ニたのもしき男ニて候しかる所
本暮廿四(三)日之晩隣家なる
湯屋より失火いたし第一番ニ
盛砂方へやけつき家内命
からから迯出して諸道具不残
焼失いたし扨々きのとく千?(万?)
存候右体義にはしり候(?)男に
候へハ天運にもかなふへく存候所
せんかたもなき次第ニて候此段
雅雄へも御通達可被下候
春里と申仁よりなかき文共
来り候暮より今以いそかしく
とくと一覧も不仕候委細は
御申聞被下承知仕候何方ニも
高慢家あまた有之候江戸
にも?ニ似(?)より候類此節は
数多いでき候嘆すへき事也
右雅言集覧はしかきの事
くれくれも御苦労御願可申候
偏に御たのみ申上候春来家のミ
出入おほく先??申上候何も
後便可申上候謹言
正月四日 五老
六々園大人
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