書き物

『狂歌続万載集』に応募した狂歌に六樹園の判が入った原稿

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-8-2

八ゝ 続万
 讃岐国へまかりける時
 さくら屋のもとにて
 哥妓なとめしよせつゝ
 ふた夜まてとまり
 けれハよめる
たをやめの其髪筋に
旅人もつなかれてゐる
大象頭山

八ゝ 続万
 社頭角力といふ
 ことを
いさけふの手柄のほとを
みや柱ふとしく立る
すまひとりとも

*「八ゝ」は十五点満点中八点の意、「続万」は「続万載狂歌集」入集の意。以下同。
*たをやめの其髪筋に/旅人もつなかれてゐる/大象頭山 女の髪の毛には大象もつながる 女は、男をひきつける非常に強い力をもっていることのたとえ。(日本国語大辞典)

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-8-2

八ゝ 続万載
 若菜
春の日の光源氏の
若菜とてから猫ならて
つめをあてけり

五ゝ
 春雪
春日野ゝわかなにあらて
さと人の袂につめる
はるのあハ雪

八ゝ 続万
 納涼
蜀江の錦よりけに夏くれは
價も高き
裸百巻

*蜀江の錦よりけに夏くれは/價も高き/裸百巻 蜀江錦(しょっこうきん) 中国の蜀(四川)より産する多彩な錦織物,すなわち蜀錦(しよつきん)をいう (改訂新版 世界大百科事典)

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-8-2

八ゝ
 顕恋
胸板をさゝるゝよりも
うしろ指人にさゝるゝ
時のくるしさ

七ゝ
 寄鳥祝
太平の御世にあふむの
めてたさハ千世に八千代と
いはふ口真似

八ゝ 続万
 寄舟恋
こさつたとこれハ思ひの
ほかけふね
いつの間にやら
風か変つた

*太平の御世にあふむの/めてたさハ千世に八千代と/いはふ口真似 「あふ」に「(御世に)逢ふ」と「鸚鵡(あふむ)」を掛ける。
*こさつたとこれハ思ひの/ほかけふね/いつの間にやら/風か変つた 「ござる」は、「来る、居る」の尊敬語で、「向こうから○○さんがござった(「来た」の意)」「いままでここにござったが(「居た」の意)」などと言う。(goo辞典)

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