御状拝見いたし候秋暑之?
御泰安(?)之旨奉賀候当春
江府御下り候て六樹園
真顔??なとへも御
相?彼地文??隆盛
之由さためて左様ニ而と?
よろこはしく存候六樹園
高齢ニて雅言集覧
後篇出来無覚束由(?)
口をしき事ニて御座候因り而
申候兎角ケ様之書ハ蔵
板ニハ由ずして書林ニて
うり広メさせ随分世上ニ
普く相成候而本?といふ
物ニ候夫を江戸の狂歌師
之癖ト〆ミな蔵板ニいたし候
事全く己か利を好んて
学事の普通をハ何とも
思ハぬ仕方也尊君なと
ゆめゆめ左様之外(?)思しかけまじ
く候○貴君其(御?)哥文?翁
へ遣し申候面白しと
感??御座候小生かした
ため物此度贈り候御落手
可被下候○宇治拾遺
躰ニて戯作御著述之
由宜しき事ニて御座候早々
拝見いたし度候しかし
一冊御贈り可被下候先ハ
為右如此御座候以上謹言(頓首)
本居大平
葉月七日
遠藤春足様
気づき
○①この年の春、(春足)江戸出府、六樹園・真顔にも会った由(鈴木馨氏年譜によれば「文政十一年春、江戸へ下り狂歌堂真顔を訪う」とある。これに該当するか。)②江戸の地は文事隆盛の由、喜ばしい。③六樹園老齢のため雅言集覧後篇難渋の由、残念。(本居大平は江戸の狂歌師たちを少し見下しながら雅言集覧には期待していたようだ)⑤「ケ様の書」(学術書)の売り広め方についてのアドバイス⑥江戸の狂歌師たちは自分の利益ばかりを考え学事の普及を軽んじていると批判。春足にも注意。⑦春足の歌文おもしろい。文?翁へも送った。⑧自分(大平)の認め物送った。⑨宇治拾遺風の戯作の著述よろしい。拝見したいから一冊送ってもらいたい等。
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