錦絵

宇治拾遺物語の話を題とした狂歌錦絵 画 岳亭定岡

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-61-1

宇治拾遺物語       (画)岳亭
八歳の児と孔子と問答
鉢うゑのをさなき梅か香のたかさ見あへる松も及ハさりけり 文窓薫
空やちかきミやこのほとやはるかすミたなひくかたに出る日の影 文々舎

*宇治拾遺物語十二ー十六 八歳の童孔子問答の事 による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-61-2

御堂関白の犬
子の日する野辺のまなひやミや人の裙をくはへてひく翁丸 文源舎成女
はる風に袖かきこえてついひちの犬はしりまてにほふうめかゝ 文々舎

*宇治拾遺物語十四ー十御堂関白の御犬 による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-61-3

大井光遠が妹
春の夜のやミにあやしきくせものハしのひかへしににほふ梅かゝ 文清舎沖住
佐保ひめの手まさくりかと見るうちに矢竹の節もひしく淡雪 文々舎

*宇治拾遺物語巻十三ー六 大井光遠が妹。強力の事 による

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-61-4

亀を放つ天竺の児
かきりなき春をいはひて蓬莱を先いたゝきし亀の万代 江州高島 文鎮舎蟹雄
笹につく宝つくしはかへりにと恵方まゐりのかふはなし亀  文々舎

*宇治拾遺物語十三ー四 亀を買ひて放つ事 による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-62-1

袴垂保輔
うくひすの笛のねいろに聞ほれて花盗人もうろうろとゆく 文福亭豆成
春の日のなかもめさるゝはかまたれゆふゆふあゆむあしわらの国 梅竜園

*袴垂保輔 宇治拾遺物語二十八・百二十五による。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-62-2

宗行が郎等虎を射
高麗人に虎てふものもうらやまん春立竹の千里同風 文窓竹雅
虎の皮しきものにしてかさらする弓矢になひく春そ静けき 文々舎

*元の話不明。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-62-4

清見原の皇子
今日よりもあすかはまされ梅のはな/雪につゝめるいろきよミはら 松鶴楼

*宇治拾遺物語十五ー一 清見原天皇(きよみはらのすめらみこと)と大友(おほともの)皇子と合戦(かつせん)の事 による。

語注・気付き

*文々舎蟹子丸(初代)(ぶんぶんしゃ かにこまる)1780~1837 江戸時代後期の狂歌師。
安永9年生まれ。幕府与力。狂歌を大田南畝(なんぽ)(初代蜀山人)にまなび,のち葛飾(かつしか)連の頭目となる。江戸本所割下水にすみ,「ブンブン,蚊(か)にこまる」を狂号とした。天保(てんぽう)8年2月9日死去。58歳。本名は久保有弘。字(あざな)は匡寛。通称は泰十郎。別号に葛飾翁。著作に「職人尽狂歌合(しょくにんづくしきょうかあわせ)」など。(デジタル版 日本人名大辞典+Plus )

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