錦絵

狂歌錦絵 松風台久堅屋文々舎 土佐日記 尚製 窪俊満 九枚

各葉、冒頭に「松風台久堅屋文々舎 土佐日記 尚製」という朱印があり、各歌の詞書は『土佐日記』の本文を引用、それぞれその中の言葉を題として狂歌を読むという趣向。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-36-1

松風台久堅屋文々舎
 土佐日記 尚製
男もすなる
日記といふものを
女もしてミんとて
するなり

   梅隣亭 松蔭
旅衣けふたち
そむるえりいはひ
よねに土佐ふし
つめや舟長

   臥龍園
土佐駒にのらす
なりてもはしら
する鞭ハ有けり
舟の追風

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-36-2

(同朱印)
けふハ子日の
海士ならハ
うミ松を
だにひかましものを

春霞
たつの
ミやこの
子日をハ
ミるとこたへし
蜑そゆかしき
   翠峯亭 小松

土佐の海の網引に
もれて千代をふる
子の日の松の魚もあるらし
   花実亭常磐

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-36-3

(同朱印)
うたの松原をゆきすく
其松の数いくそはく
いくちとせへたりとしらす
もとことに波打よせ
枝ことに靏そ飛かふ

   沢の舎 勝見
つるも其
家のはる風したふらし
浜の名高き
大哥所

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-36-4

(同朱印)
はまにハくさくさの
うるハしき貝
なんとおほかり

   松操台 美牧
鶯を後にも
さそふ月日貝
星にまかへる
梅の
はなかひ

   花林堂 糸道
たつの神に
さゝけし人の
あとの崎
しほのひかたに
ミるかふと貝

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-37-1

(同朱印)
むかし
阿への
仲麻呂と
いひける人

ミかさの山
やまとの月ハ
めいしうの
津々まて匂ふ
霞一筋
   勢州
   日渉園 蝙蝠集

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-37-2

(同朱印)
鯉はなくて
鮒よりはじめて
かハのも海のも
ことものとも
長ひつに荷
なひつゝけて
おこせたり

   松?台
ミさかなに
こんふたうべて
つらゆきか
ふなぢをそ思ふ
春のほろ酔

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-37-3

(同朱印)
山のはに
ミし月なれと
波より出て
波に社
いれ

見てけれハ
春立かへる
うら波の
花のまにまに
匂ふ月かけ
   久かた屋

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-37-4

(同朱印)
かぢとり又鯛もて
きたりよね酒なんと
くるかちとりけしき
あしからす

あら海の
うしほも
けさハ
たひらかに
ほかげ赤めの
いをにまてさす
   ノヘ庵 髭面

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-38-1

(同朱印)
いまし
かもめむれゐて
遊ぶ所あり

遊びゐる
うののとか
なる春の日に
梅かかもめの
匂ふ波の上
   天の屋?芝

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