摺りもの

十二組の狂歌かるた

上段 人物像入り・上の句読み札、下段 文字だけ・下の句・取り札。ここでは一人物について上段下段の順に紹介。

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-34-3

い 桜の屋花躬
  こぬ人を/まつ夜は/ふけて/子になりぬ
い ねなまし/寝ても/うしや/ひとり寝

へ 沼田綾女
  花咲きて/何町となく/よしの山/
へ さくらに/とつる/旅日記帳

ろ 佐屋裏襟
  五月雨に/庭の/朽木も/きくらけの/
ろ 耳引たつる/初時鳥

た 千代徳若
  あか仏/まては/金鼓の/ねもやうて
た 緑行道を/する/はかりなり

な 泉元清
  三輪の里/みわたし/ミれは/今も猶
な 小田まき/つくる/賤か苗代

〇 西山楼下住
  椎のミの/歳(?)はとれとも/つふて/文字
〇 ひろひかきさへ/ならぬ/くやしさ

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-34-3

ニ 東巴房
  鹿きいた/ころより/さみし/ふもとまて/
ニ ほそう/とゝける/雪の岨道

り 文門亭近頼
  花はをり/雪はふめとも/秋の夜の
り 月はかしらに/いたゝきて/見つ

カ 三輪杉村
  桃のせて/すきにし/後は/卯花の
カ わたにつゝめる/ひなのひとつ家

ツ 千里亭行丸
  拳酒のひらく手もあり/弁当の
ツ にきりも/ミゆる/野辺の/さわらび

ウ 雲多楼鼻垂
  そのもとは/愛より/出て/藍よりも/
ウ あをう/なつたる/恋病の/かほ

五側 宿屋飯盛
   歌よみの/こわねまねふか/古今集の
五側 序に/出ました/春の/うくひす

気づき

○雲多楼鼻垂 「そのもとは」 雲多楼時代の代表歌と見えあちこちに残っている。「其元は」と書く場合もある。この歌留多により「そのもとは」と読む方が正しいとわかる。「その一番初めは・一番元は」の意味。「青は藍より出て藍よりも青し」(『荀子』)に基づく。飯盛よりも面白い。出藍の誉れ!。

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