御舎弟梅蔵殿おひおひ
御明快被成候哉御尋申上候
向暑之節弥々健安可被成
御座候奉寿候小子無異居申候
御??奉憚入候(?)然は老父儀
はしめの四月十日比いせ旧里へ
出立しはらく逗留後四月中旬
いせゟ上京又京にて三十日斗り
逗留去ル十九日京師ゟ無異
帰宅仕候京ハぬてのや社中取
たては勿論諸国社中も彼
是のほりあかす(ならひ?)口釈哥会等
先年の通りにきハひ申候さて
又此度も
桃花殿北大まところ君の御前
へ召され口釈度々申上られ?
事にて御座候右はありかたき儀に御座候
右いせ京中古学甚さかん成
事にて大悦いたし申候儀ニ御座候
一当???之御返書早速差
出し可申候筈之処右旅行前
留守中も??て取込大ニ御無
沙汰し打過申候尤御詠草ハ
いせへ出立の前一巻御哥のかへし宅にて
拝見いたしのこり一巻も旅中
いせか京にて拝見??返上可申
心得にて持廻り申候へ共候???
甚せはしく何方にても無寸暇
又其儘にて諸国の詠草も一??
いたし持かへり可申候此拙宅にて
拝見相済此度返??仕候御入
手可被下候
一五月三日之貴書も此間相届
拝見いたし申候後鈴屋集の儀
御もとめ被成度ニ付此方に右本
有り合なきやと御尋の事
承知致申候先達而出板の比
少々取よせ置申候へ共ッミなミな諸方へ
遣し只今にてハ一部も有り合
御座なく候大坂書林ゟ直々御求
可被下候先は右要答方如此
御座候猶期重便以上
本居左衛士
五月二十六日
遠藤宇治右衛門様
気づき
○①老父(大平)が(紀州から)伊勢に帰り更に京都へ旅行したこと、その間の京都における古学の隆盛ぶり ②そのため春足への返事が大幅に遅れたこと ③後鈴屋集のこと(春足が注文したか?)在庫がないので直接大坂の書林からお取り寄せ願いたい ④以上のこと等を親(大平)に代わって書いている。
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