書簡

六々園宛て五老書簡 (春足の文章)拝見 大津絵はとっくに送った 五十人首は近頃出来る予定 最近、五老方の月次狂歌会に出詠がないのはさびしい。(春足方)角力番付人数が多いのは驚き 元禄好みの書物、江戸でも大流行。南畝も非常に気に入っている 雅言集覧、序文を彫刻。本文もようやく成就

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-21-1

四月廿二日之御書壬月廿五日
相届拝誦仕候薄暑之節
御無事御座候大慶仕候
こなたより差出候包等も?
無恙着仕候由安心仕候
御文章御みせ被下感心
仕候少々書そへ候へ共いつれ
ひかことなるへくよくよく御取捨
可被成候
大津絵ハとくさし出し候
五十人首ハ近日出来仕候
近比ハ御地より小子方月並
にも一向御出詠無之候なにと
やらきひしきやうニ??????ちとかく
御すゝめ可被下候
御地一会角力番付二枚被下
扨々めさましき事驚入候
殊之外之御人数ニ有之候

撮影:四国大学 / 分類:手鑑1-21-1

元禄好ミの書物共御??出し
のよし江戸も大流行
にて南畝なと殊ニすきニて
有之候絵図芝居番付
の類いろいろめつらしき物
出候事ニて候
雅言も此節序文を彫刻
いたし居り候て やうやく本文
成就いたし候
??針業猿人之両君
御ついてニ可然御伝被下候
先御報申上たく如此候以上
無月廿六日
         五老
六々園大人
御文章??ニて一覧いたし候加筆
くれくれひかことも可有之候

語注

*壬月 壬は十干のうち九番目 「みずのえ」に当たる。しかし「壬月」は辞書等に見当たらない。読み間違いか?

気づき

○①(五老方より送った)包み(春足方へ)到着の由。②(春足の文章)拝見。③大津絵はとっくに送った。④五十人首は近頃出来る予定。(粕谷宏紀著『石川雅望研究』によれば「狂歌五十人一首」と題するものは文化十年・文政二年・文政六年他、度々出板されているのでどれを指すか不明)⑤最近、五老方の月次狂歌会に(春足方より)出詠がないのはさびしい。⑥(春足方)角力番付人数が多いのは驚き⑦(春足方で)元禄好みの書物出板、江戸でも大流行。(摺りもの1-21-3の絵はそれに該当するか)南畝も非常に気に入っている⑧雅言集覧、この節序文を彫刻。本文もようやく成就。⑨右大尽・猿人君へよろしく。

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