十五ゝ
山吹の
色は口なし
くふ物も
くハて
ためたる
こかねとそ
見る
尾州 名古屋
竜廼屋 弘器
信州松代
蘭薫亭 薫
十三ゝ
元日の
はかさる
塵や
くひつミに
つもりて
なりし
蓬莱の山
十三ゝ
かけひなた
さすか
梅にも
遅速ありて
三度はかりに
ひらく
花笠
濃州岐阜
香雪楼 星蔭
常廼屋 集丸
十三ゝ
春の日の
はれに
着かへて
出たては
風そ宿の
花見をハする
十二ゝ
つらなりし
?に
霞ハ
かゝれとも
花にはつれて
かへる
かりかね
尾州
世界坊一呑
阿波石井
六々園 抜足
十二ゝ
これも又
年代記にや
しるしなん
星をふらする
梅の下風
気づき
○鈴木馨「春足年譜」 文政二己卯の項に「文政己卯春興集に狂歌入集(阿波石井 六々園抜足 像あり 刊行」とあり。これに該当するか?(なお粕谷宏紀著『石川雅望研究』文政三庚辰 ○正月延引されていた『文政己卯春興帳』が狂蝶子文麿版で刊行される」とある。この記述によると前記「春興帳」は一年遅れで刊行されたものと思われる。
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