短冊

春足(六々園) 狂歌短冊(三葉)

撮影:四国大学 / 分類:右から手鑑3-46-4、3-46-5、3-46-6

すきもつみたんなもつめはおのつから
上下とそなる春の若なも    春足

 寄佛忌
釈迦ならぬ君とわれとはねはむ會に
からなや(?)鶏のなくはにくらし 六々園

 柳
うきよをハとくはなれたる西行も
しはしをしめる青柳の箸    春足

語注・気付き

3-46-4 すきもつみたんなもつめはおのつから/上下とそなる春の若なも
*「すき(杉)」は下女の代表的名称。「たんな」は旦那で主人。春の野に若草を主人も摘めば下女も摘むので上下が逆になることもある。

3-46-5 釈迦ならぬ君とわれとはねはむ會に/からなや(?)鶏のなくはにくらし
*ねはむ會 涅槃会 釈迦の命日。陰暦二月十五日。「涅槃会」の「ね」に「寝」をかけるか。

3-46-6 うきよをハとくはなれたる西行も/しはしをしめる青柳の箸
*道の辺に清水流るる柳蔭しばしとてこそ立ちどまりつれ 西行 新古今 夏262 
*青柳の箸 祝い箸には柳がよく用いられ、「柳箸」という別名もあります。これは、大切なお祝いの席で箸が折れると縁起が悪いため、簡単に折れないよう丈夫な柳が選ばれたという謂れがあり、さらに縁起のいい漢字をあてて家内喜(やなぎ)とすることもあります。また、両側が細く、中央が太い姿を五穀豊穣の象徴である俵(米)に見立てた「俵箸」という別名もあります。(rigbell)

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