うたなともこれかれ見せ給ひけれは
思はすもこと葉の花を見つる哉
かれにし冬のやまちわけきて 春足
桜はから国にハ
あらさるよし人々かたらふをきゝて
海棠をさくらのやうにおもふめり
芥子坊子等のをさなこゝろに 春足
冬のはしめ
智芳庵君をとふらひはへりて
さらぬたにたつねわひぬる山河をハ
いかにまよへとしつむもミち葉 春足
語注・気付き
3-23-4 思はすもこと葉の花を見つる哉/かれにし冬のやまちわけきて 春足
*狂歌短冊3-23-2と同じ
3-23-5 海棠をさくらのやうにおもふめり/芥子坊子等のをさなこゝろに 春足
*海棠 春にサクラに似た花を咲かせるハナカイドウは、樹高1 mくらいの幼木でも、樹木全体に花をつけることから、狭い空間に植栽する花木として重宝される。芽吹きと共に咲く花は、優しげな風情が愛でられ、庭木あるいは生け垣に向いている。庭木としての人気は高いが、栽培地は日本の場合、関東地方以南にほぼ限られる(wiki)。
*芥子坊子 唐人の弁髪、唐人。(日本国大)
○中国人の幼稚な心では、小型の花海棠を見て日本の桜と同じように思うらしい。(日本の桜は海棠よりもずっとりっぱなのに。)春足の代表歌。愛国心が強く少し差別的内容。
コメント