歌川画
人言荒事
外無類
江戸市川
團十郎
六樹園
語注・気付き
〇市川団十郎家は江戸荒事の祖と言われ、代々この絵のように大きい目玉を売り物にしている。賛は「荒事は外に類無し 江戸市川團十郎」とでも読むか? 衣裳は市川家ゆかりの瓢箪(2-43-2参照)
◯この扇面は、六樹園からの書簡3-16-1の次ページに貼り込まれており、書簡3-16-1には「市川團十郎、大坂にて興業。御覧あるべし」と記載があるので、もしかすると、この扇面は書簡と一緒に六樹園から春足に送られてきたものかもしれない。
木村涼先生からのコメント
まず、七代目團十郎の扇面についてです。「人言荒事 外無類 江戸市川 團十郎 六樹園」については「人は言う、荒事外に類無し、江戸市川團十郎 六樹園」となります。
次に、扇面の前ページにあった書簡(3-16-1)の「團十郎大坂へ罷上御覧可被成候」についてです。文政12年(1829)の3月の大火により、江戸の芝居小屋に出勤が叶わなくなった七代目團十郎は、同年5月より大坂中の芝居に出演しています。七代目團十郎の初の大坂興行出勤に関する情報を、書簡を通して、六樹園飯盛が遠藤春足こと六々園に伝えていると考えられます。
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