春雨のつれつれいかゝおハし
ますらんまことや百日のひてり
にはあかてしかしかなんいへるは
いつの比の諺にやくたれる世の
人心せちに情なうなりもて
行にや一日の雨たになや
ましき心地そし侍るされハ
何事もふるき代のミそと
吉田の法師のうめかれしも
けにことハりにこそたれこめて
はるの行衛しらぬは猶あハれ
にとはいふものから去年の
冬給ハりたる御消息のいらへ
奉りし後は風の音つれ
吹続て御ありさまをも承り
侍らぬにそあまりのさうさう
しさにふりくらす軒の
糸水いとわひしく頭ことに
なやめりあハれ愛たき春に
咲せ給ふ花のことのはに 桜
木にえりものし給ふたるなん
下し給ハらハ清涼敷にははるかに
まさりていたつきもとみに
をこたりぬへく思ひ給へらるゝも
なへてならぬむさほり心になん
かねに目はかけねと
君の玉歌をのそむハ春の
?りにさりけるこは例の
たハれたる筋になんことし
あしへのむれの人々よみ
出しあされ歌ともすりものせしを
折からの山々笑ひ筆(学?)の
たねにもとおくり奉るもいと
かたハらいたきわさになん
穴かしこや
きさらきのつこもりころ
胴膽太記
六々園大人
御もとへ
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