船の屋網人
大江戸や
朝鮮まても
ひくものハ
春のかすミに
三升連中
塵外楼清澄
親方の
目を賞翫と
申すへし
ミますは
江戸の
花さくら鯛
五渡亭国貞画
気づき
○二首とも市川團十郎賛歌。鎧を着た武者が五人 先頭が市川團十郎と思われる。(蛇の目の紋) 何の演し物か? 忠臣蔵にしてはものものし過ぎる。扮装?
木村涼先生からのコメント
この錦絵は「楽屋 二番続」に出てきた加藤清正の衣裳を七代目團十郎が着用しているので、加藤清正を演じているものと思われます。
次に、右の狂歌を詠んだ七代目を支援する「船の屋網人」なる狂歌師の歌の中に「朝鮮」が出てきますが、それは、豊臣秀吉の命で朝鮮出兵をした加藤清正のことを示しています。したがって、忠臣蔵関係の演目ではありません。
また、三升連中は、大工の棟梁でありながら戯作者でもあり、熱心な團十郎贔屓である烏亭焉馬(うていえんば)が、七代目團十郎の祖父五代目團十郎を支援するために創設した団体組織です。
左の狂歌に登場する塵外楼清澄(じんがいろうきよすみ)という狂歌師は、石川雅望こと六樹園飯盛の長男です。俗称を中村清三郎と言います。父親が率いる五側の判者を務めています。
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