六々漫談

上野公園の蜀山人碑について

抜六 この前、『大吉原展』に行ったついでに上野公園の蜀山人碑を見てきたんです。

遠藤 へぇ、上野公園に蜀山人の碑なんてあったんですね。

抜六 上野広小路の方から上野公園に入ったすぐ左の隅にあります。蛙の噴水・西郷さんのすぐ近くですね。

一めんの花ハ碁盤の/上野山黒門前に/かゝるしら雲 蜀山人

江戸時代、上野公園は桜の名所であった。昭和十三年、寛永寺総門の黒門跡に、その桜と黒門を詠み込む蜀山人の歌一首を刻み、碑が建てられた。郷土色豊かな建碑といっていい。平成四年十一月(台東区教育委員会の案内)

抜六 この蜀山人の狂歌はどうやって狂歌を作るか、その発想をたどる上でとても良いサンプルなんです。

遠藤 そうなんですね。先生はこの狂歌はどういう発想で作られたものだとお考えなんですか?

抜六 今日は絶好の花日和。桜といえばやはり上野。来てみると入り口の黒門あたりは 満開の桜。まるで白雲がかかったよう。(この連想は類型的)白と黒。うん。碁盤だ!碁盤の「上」の碁石。よし「碁盤の「上」とかけて「上野山」と続けよう。」 こういう連想ゲームですね。

遠藤 なんとなくですが、蜀山人をはじめとした当時の狂歌人たちは、常日頃から何か面白い歌が作れないかアンテナを張っていたのかなって気がします。

抜六 見えるものをそのまま描写するだけでは面白くないですからね。普段から遊び心をもって、なにかうまいことが言えないか考えていたのでしょう。

遠藤 確かに。私も日常のことをうまく言えないか考えるようにしてみようかな。いい脳トレになりそうですもんね。

抜六 目指せ「二代目遠藤春足」ですね。期待しています。

遠藤 あはは、頑張ります!

コメント

タイトルとURLをコピーしました