書冊(版本・狂歌集・自筆稿本等)

六樹園撰 春足狂歌百首(題簽なし 仮題)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020361

 月前虫

こは月の邪魔なれハとや
松か枝(?)に
斧ふりあけてみゆる蟷螂

 月前鴈

これもまたしるしの杵と
ミ?かさき月の雪見を
わたるかりかね ??

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020362

 長場

瓶にさし酒にも入て
そのはなの
きくハたかへぬ
長場の二日ゆめ(?)

 菊

たんさくのかすかす
ついて見ゆるのは
これや名におふ
?ふくろ菊

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020363

 谷菊

さく菊に
手をいれんとや
谷あひの
蟹もはさミを
出して見えけり

 庭菊

細見のしるしのほかに
これも又ほしとみせ
たる吉原のきく

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020364

 社頭紅葉

清盛のむかしはしらす宮しまに
入日をかへす紅葉はの色

 九月尽

右を見ても左をミても
さひしきはけふはかり
なる秋の山てら
(左上)経キヤウ

右を見ても左をミてもさひしきはけふはかりなる秋の山てら
(左上)経キヤウ
*左上の書き込みは 「けふ」を「経」と書き「キヤウ」と読め、のアドバイスと思われる。そうすれば「九月尽」の「今日ばかりなる」と「経ばかりなる」が掛詞として生きてくる。

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020365

 堀川百首冬の題をよミける/中に

小春とふころにもなれは
花の名のさくら
炭をもいけて置(?)しつ(?)

 時雨

さミせんの棹の河辺も
冬くれハしくれの
いとをかけてミけり

小春とふころにもなれは花の名のさくら炭をもいけて置(?)しつ(?)
*堀河百首 平安後期の歌集。長治2年(1105)ごろ成立か。堀河天皇の時、藤原公実きんざね・源俊頼・源国信らを中心に、当時の代表的歌人の大江匡房まさふさ・藤原基俊ら16人が詠んだ百題による百首歌の集成。後代の組題百首の規範とされ、重んじられた。堀河院御時おんとき百首和歌。(コトバンク)

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