書冊(版本・狂歌集・自筆稿本等)

六樹園撰 春足狂歌百首(題簽なし 仮題)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020356

 月

邪魔になる
松もさくらもきりくへて
月の雪見の客をもてな

 仝

女郎華萩のなかまて
遠慮なくあしを指
こむ月のかつら男

邪魔になる松もさくらもきりくへて月の雪見の客をもてなし(す)
*謡曲「鉢木」による。

女郎華萩のなかまて遠慮なくあしを指こむ月のかつら男
*桂男(かつらおとこ)は、中国の神話において月に住んでいるとされる伝説上の住人、または日本の妖怪。前者の意味から「桂男」は「美男」のことをさす慣用句としてもつかわれる。(wiki)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020357

 仝

冬竹を
寝させしにひきかへて
今ひとをおこしておく月の雪

 仝

柴の戸もさゝてめてなむ座布まて
こよひさしたる月のひかりを

冬竹を寝させしにひきかへて今ひとをおこしておく月の雪
*冬、竹を/寝させしに、ひき/かへて、今、/ひとをおこして、/おく月の雪 と詠むか? (月の)雪が冬は(重みで)竹を寝させておいたのに今は人をよこして起きさせるることだなあ の意味か?

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020358

 仝

こよひはなつとりはかりかハ月の
うた書短さくも風に
承(?)たる

 六々社の月ミの巻(?)の点
 あけるついてに我もとて
 おなしこゝろを

薩摩潟まとゐしてのむその樽の
からまても照わたる月かけ

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020359

 かくも

さつまかた月見のいもか
さすくしの朝鮮まても照
わたるかな

 名處月

住よしの岸のくひ瀬を守りつゝ
月のうさきを夜な夜なにまつ

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020360

 仝

山の名の姨にはあらて何ことも
月に捨たるさらしなのさと

 月前露

月を見て寝る
人もなき秋の夜は
座敷にも露の
おきてこそあれ

山の名の姨にはあらて何ことも月に捨たるさらしなのさと
*姨 姨捨山は信州更科にある。

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