書冊(版本・狂歌集・自筆稿本等)

六樹園撰 春足狂歌百首(題簽なし 仮題)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020351

 七夕草

たなはたにいさや手向む秋の
野のすゝきのたもと上縁?りをハ

 文月八日

たなハたの
わかれをしミて
ひきぬるか
今朝は
ちきれし
むら雲の
?ミ(そて?)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020352

 あさがお(シュンの字 16画)

千世かいふつるへはかりか
こゝろまて今朝はとらるゝ墻の朝かほ

 又

やふれ垣はひこしてさくあさかほは
けにつるの手もなかきはななり

千世かいふつるへはかりかこゝろまて今朝はとらるゝ墻の朝かほ
*千世 加賀千代女(かが の ちよじょ、1703年(元禄16年1775~安永4年)は、俳人。号は草風、法名は素園。千代、千代尼などとも呼ばれる。(wiki)
*朝顔につるべ取られてもらい水(35歳のときに、朝顔や~ と詠み直される)が有名。
*おもしろい

やふれ垣はひこしてさくあさかほはけにつるの手もなかきはななり
*つる 朝顔の「蔓」と「鶴」をかけるか?

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020353

 山家秋夕

客とてはなきやまさとも
さひしさハ百人前の
秋の夕めし

 のゝむし

琴のねの松むしの
なく秋の野に
十三すちもひく
蜘蛛のいと

琴のねの松むしのなく秋の野に十三すちもひく蜘蛛のいと
*松虫 琴の曲名「松虫」を掛けるか。
*十三すち 箏の琴は十三弦。

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020354

 古戦場霧

闘ひのあとや今も
一めんにきり
かゝるなり秋の
宇治川

 擣衣

小夜ふか
眠りなからに賤の女か
うては木綿のめを
細くしつ

闘ひのあとや今も一めんにきりかゝるなり秋の宇治川
*「きりかかる」に「切りかかる」と「霧かかる」とを掛ける。宇治川は古戦場として有名。

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020355

 又

砧をハさかさにいへは
たぬきとてきん
玉河のさとにこそうて

 駒迎

蝉丸の琵琶は
しらねと逢坂に
今もひくなり
望月の駒

砧をハさかさにいへはたぬきとてきん玉河のさとにこそうて
*傑作

蝉丸の琵琶はしらねと逢坂に今もひくなり望月の駒
*駒迎 あふ坂の関のし水にかげみえて今やひくらんもち月の駒 紀貫之集・一四)

コメント

タイトルとURLをコピーしました