勢見へ花見に
まかりて焼餅やへ
立より侍りて
七
みなひとかさくらはかりを
ほむるゆゑか
外の木く科の
やき餅も見ゆ
卯花
七
卯の花の月の兎か
たま河に杵ふり
あけて布さらすひと
みなひとかさくらはかりをほむるゆゑか外の木く科のやき餅も見ゆ
*勢見(せいみ) 徳島市の中央に位置する眉山東南麓にある地名。勢見町。
卯の花の月の兎かたま河に杵ふりあけて布さらすひと
*たま河 「多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき」(万葉集巻十四よみ人しらず
その二
七
過しはるさくらにかいた
うたの恥をいて卯のはなの
雪にすゝかむ
蚊遣火
八
くゆらせる烟に
涙こほしけり
今はかなしと
夕くれの宿
水鶏
九
孟掌君と
あちらこちらに
人真似て関守
たます水の鶏
五月雨
七
月も日もさらに見えねときものには
ほしの出たるさミたれのころ(うち?)
孟掌君とあちらこちらに人真似て関守たます水の鶏
*孟嘗君(もうしょうくん、? – 紀元前279年)は、中国戦国時代の公族・政治家。姓は嬀、氏は田、諱は文。斉の威王の孫にあたる。戦国四君の一人。(wiki)「鶏鳴狗盗」の故事で有名。
雷
十
町々の拍子木のみか雷の
太鼓も暑さのときはたかへす
風鈴
九
裸にてすゝめるう(?)たををかしとや
舌出して居る軒の風鈴
夏旅 二方荒神といふものなり
七
夏の日も不尽のゆきミて馬上には
やはり巨燵へはいる旅人
七夕虫
九
棚機に何をねかひの
ありとてやいとをひく
?針を出す蜂
夏の日も不尽のゆきミて馬上にはやはり巨燵へはい(ひ)る旅人
*二方荒神 馬の背の両側に枠をつけて、そこに一人ずつ乗ること。(goo辞書)
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