野辺にあそひて酒なと
ものしけるに凧のきれけるを見て
八
野あそひに三味線ひけはきれ凧の
奴もそらにまうて見えけり
さくら
八
長樂の鐘とかハつて
咲はなの中につき
たる色帋短さく
仝
八
細腰ときけとかゝへてみれはわか
両手にあまる楊貴妃さくら
仝
八
あ?きさくらなかめてあれは
いつとなくこんとなつたる
入相のかね
細腰ときけとかゝへてみれはわか両手にあまる楊貴妃さくら
*おもしろい。
桜狩
十
たんさくの其大鷹を手にすゑて
さくらかりゆく春の宮人
其二
八
さくはなのなミにうかれてもすそまて
酒にぬらして帰る酔とれ
たんさくの其大鷹を手にすゑてさくらかりゆく春の宮人
*大鷹 大高檀紙を掛ける。
*最後に再録した分では十五となっている。秀逸。
其三
七
短冊や色帋のほかにこれも又
かいて出かけるはなミ弁当
花
八
二月からはや三月へこしち
とて軒をもうつむ
はなのしらゆき
仝
八
よしの山さきぬるはなの邪魔になる
かすみをくふて
くれよ僊人
仝
九
咲はなのゆきには人のあしよりも
ふきくるかせの手をいとふなり
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