歳旦
七
からまとも
なひく御代とて
寅に起て
大さうに餅
いはふ元日
元日鶯
八
?とかなる御代の春とて今朝ははや
うくひすのきてほうわうとなく
戯場春
八
千両の春の役者か
鶯のよむ歌右衛門梅
のかゝ屋は
千両の春の役者か/鶯のよむ歌右衛門梅/のかゝ屋は
*かゝ屋 加賀屋(かがや)は、歌舞伎役者の屋号。初代中村歌右衛門の父・大関俊庵が加賀金沢の出身だったことがその名の由来。解説 四代目中村歌右衛門が屋号を「成駒屋」と改めた際、宗家一門の芝翫と福助もこれにならって屋号を替えたが、門弟筋の名跡は以後も「加賀屋」にとどまった。(wiki)
竹鶯
十
古今集のうた仲間とてわかそのゝ業平
竹にきなくうくひす
海上霞
九
み山木はまた雪あれと春くれは
かすみにきゆる沖の
つりふね
古今集のうた仲間とてわかそのゝ業平/竹にきなくうくひす
*業平竹 ナリヒラダケ イネ科タケ亜科の常緑多年生竹の一種。(wiki)
梅
八
秤目のほしとも見ゆる梅の花
何ふんと出つ
かをりもやはり
廓梅
八
おいらむのかならすおいて
なんしから開き
初たるよし原の梅
おいらむのかならすおいて/なんしから開き/初たるよし原の梅
*なんし 花魁が使う敬語「~なんし」に梅の「南枝(なんし)を掛けるか。
*「南枝」は、唐の『白孔六帖』に「大東嶺上梅、南枝落、北枝開、寒暖之候異也」とあるように、梅の木の枝の1つで、南側に向かって伸びている枝を指します(wiki)
関柳
六
関守かたれそととへはそのえたも
おれよとかせにたゝく青柳
春雪
九
咲梅のはなは
勿論青柳のめにも
とまれるはるのあわゆき
関守かたれそととへはそのえたもおれよとかせにたゝく青柳
*「枝も折れよ」に「俺よ」を掛ける。
咲梅のはなは勿論青柳のめにもとまれるはるのあわゆき
*「め」に「芽」と「目」を掛ける。
春雨
九
はるさめのころはひる寝のかほにまて
ほんて食ふく
宿のつれつれ
野遊
十
仙人はしらすわれらもはるの野に
うま酒を出す腰の瓢箪
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