書冊(版本・狂歌集・自筆稿本等)

六樹園撰 春足狂歌百首(題簽なし 仮題)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020332
撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020333

 歳旦

からまとも
なひく御代とて
寅に起て
大さうに餅
いはふ元日

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020334

 元日鶯

?とかなる御代の春とて今朝ははや
うくひすのきてほうわうとなく

 戯場春

千両の春の役者か
鶯のよむ歌右衛門梅
のかゝ屋は

千両の春の役者か/鶯のよむ歌右衛門梅/のかゝ屋は
*かゝ屋 加賀屋(かがや)は、歌舞伎役者の屋号。初代中村歌右衛門の父・大関俊庵が加賀金沢の出身だったことがその名の由来。解説 四代目中村歌右衛門が屋号を「成駒屋」と改めた際、宗家一門の芝翫と福助もこれにならって屋号を替えたが、門弟筋の名跡は以後も「加賀屋」にとどまった。(wiki)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020335

 竹鶯

古今集のうた仲間とてわかそのゝ業平
竹にきなくうくひす

 海上霞

み山木はまた雪あれと春くれは
かすみにきゆる沖の
つりふね

古今集のうた仲間とてわかそのゝ業平/竹にきなくうくひす
*業平竹 ナリヒラダケ イネ科タケ亜科の常緑多年生竹の一種。(wiki)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020336

 梅

秤目のほしとも見ゆる梅の花
何ふんと出つ
かをりもやはり

 廓梅

おいらむのかならすおいて
なんしから開き
初たるよし原の梅

おいらむのかならすおいて/なんしから開き/初たるよし原の梅
*なんし 花魁が使う敬語「~なんし」に梅の「南枝(なんし)を掛けるか。
*「南枝」は、唐の『白孔六帖』に「大東嶺上梅、南枝落、北枝開、寒暖之候異也」とあるように、梅の木の枝の1つで、南側に向かって伸びている枝を指します(wiki)

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020338

 関柳

関守かたれそととへはそのえたも
おれよとかせにたゝく青柳

 春雪

咲梅のはなは
勿論青柳のめにも
とまれるはるのあわゆき

関守かたれそととへはそのえたもおれよとかせにたゝく青柳
*「枝も折れよ」に「俺よ」を掛ける。

咲梅のはなは勿論青柳のめにもとまれるはるのあわゆき
*「め」に「芽」と「目」を掛ける。

撮影:徳島県立文書館 / 画像:P2020339

 春雨

はるさめのころはひる寝のかほにまて
ほんて食ふく
宿のつれつれ

 野遊

仙人はしらすわれらもはるの野に
うま酒を出す腰の瓢箪

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