以下の翻刻・訓読・コメントは徳田武氏のご教示による。
送往迎來終歳忙
豈無一句答韶光
爐頭不覺寒威逼
閑裏初知日影長
有恃竟須資酒力
無聞只欲託詩狂
青絲白玉年々會
相値例為上學堂
乙亥人日竹亭招飲同賦
得陽韵
碧海學人柴允升
訓読
往を送り 來を迎え 終歳忙し
豈一句の韶光に答ふる無からんや
爐頭 覺えず 寒威の逼るを
閑裏 初めて知る 日影の長きを
恃むこと有れば 竟に須らく 酒力を資るべし
聞ゆること無くんば 只だ詩狂に託さんと欲す
青絲 白玉 年々に會し
相値ひて 例として為す學堂に上るを
乙亥人日、竹亭に招飲され、同に賦して
陽韵を得たり
碧海學人柴允升
コメント
*乙亥人日 文化十二年1815 一月七日の作。七言律詩。
*碧海学人柴允升 柴野碧海 安永二1773~天保六1835 徳島藩の儒学者。名は允升。号碧海。柴野栗山の弟の長男、京都で栗山に学びその養子になった。『柴野碧海と枕上集』竹治貞夫(徳島大学学芸紀要人文科学 26号)
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