短冊

狂歌短冊 裏也・浮木・春風・正直・好足・杜業・琴足・交山

撮影:四国大学 / 分類:右から順に20230909-J271、J272、J273、J274、J275、J276、J277、J278、J279、J280

仏には迚もならぬと花の雪に
おにの顔をや造る山とり     裏也

 花
みほれては穴のあくほと詠ても
あかぬはつなり小町桜は     浮木

きのふけふ小蝶と花の夢見草
ともにまたとく来す飛鳥山    裏也

軒端からのそける花を小町そと
いふも出過た山茶屋の妻     春風

このまれてよミぬる歌はなたつくり
花の枝にそさはる短冊      春風

たはめたる枝にはた(?)かれてゆひ先も
しひるゝやうな花の雪そら    正直

かんさしの花かや楊貴妃桜ハ
山の頭にさいてこそあれ     好足

 花
これもまたこゝろなふして岫を出る
雪かとはかりなかめやる花    杜業

酒のミて下臥すれハ虎の尾の
さくらの露に酔をさましつ    琴足

平生は内?しやか盛りには
花のもとにてかちる三味せん   交山

語注・気付き

みほれては穴のあくほと詠ても/あかぬはつなり小町桜は 浮木
*穴のあくほど 穴なし小町俗説によるか 「裁縫に使う「待ち針」の語源は小野小町にちなむという俗説がある。言い寄ってくる多くの男に小野小町がなびくことがなかったため、穴(膣)のない女と噂されたという伝説に基づき、穴のない針のことを「小町針」と呼んだことから来ているというものである(wiki)

これもまたこゝろなふして岫を出る/雪かとはかりなかめやる花 杜業
*岫 くき・みね ①くき、山の洞穴。②みね。やま。(大字源)

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