仏には迚もならぬと花の雪に
おにの顔をや造る山とり 裏也
花
みほれては穴のあくほと詠ても
あかぬはつなり小町桜は 浮木
きのふけふ小蝶と花の夢見草
ともにまたとく来す飛鳥山 裏也
軒端からのそける花を小町そと
いふも出過た山茶屋の妻 春風
このまれてよミぬる歌はなたつくり
花の枝にそさはる短冊 春風
たはめたる枝にはた(?)かれてゆひ先も
しひるゝやうな花の雪そら 正直
かんさしの花かや楊貴妃桜ハ
山の頭にさいてこそあれ 好足
花
これもまたこゝろなふして岫を出る
雪かとはかりなかめやる花 杜業
酒のミて下臥すれハ虎の尾の
さくらの露に酔をさましつ 琴足
平生は内?しやか盛りには
花のもとにてかちる三味せん 交山
語注・気付き
みほれては穴のあくほと詠ても/あかぬはつなり小町桜は 浮木
*穴のあくほど 穴なし小町俗説によるか 「裁縫に使う「待ち針」の語源は小野小町にちなむという俗説がある。言い寄ってくる多くの男に小野小町がなびくことがなかったため、穴(膣)のない女と噂されたという伝説に基づき、穴のない針のことを「小町針」と呼んだことから来ているというものである(wiki)
これもまたこゝろなふして岫を出る/雪かとはかりなかめやる花 杜業
*岫 くき・みね ①くき、山の洞穴。②みね。やま。(大字源)
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