時雨
はつしぐれ柿の葉ハさそ傘の
しふ蛇のめさへいろハそひけり 長根
早苗
賤の女も早苗とるにハ行義よく
ならふや夢の小笠原流 切住
花
奥床し口紅ひひてほゝほゝほゝ
さくさくはなの笑ふ唇 千雉
雪(?)
わか庵の雪見かてらに来る人は
酒とこゝろひく庭の白妙 一寸法師
鰹
夜かつをやまた蚊は出ねと夏めきて
さし身に頬をたゝくはつもの 俊満
花
雲や雪と誉てもたらね桜花
ゆきが匂ふか雲が匂ふか 市丸
柳をよめる
うき世をハとくはなれたる西行も
しはしをしめる青柳の髪 春足
梅風
なかなかに木のもと遠くなるそとも
しらておひゆくかせのうめかゝ 春足
うめをよめる
なかなかに木のもと遠くなるそとは
しらておひゆくかせのうめかゝ 春足
よるのうめを
鶯のゆめやさめんとと(?)めえても
なほをりわふるよるの梅か枝 春足
語注・気付き
はつしぐれ柿の葉ハさそ傘の/しふ蛇のめさへいろハそひけり 長根
*傘 「からかさ」と読むのだろう。
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